ご来館戴いたM.M様
曇り空からやや青空が覗き始めました11時半頃にM.M様のご来館を戴きました。
受付後、M.M様に「よろしければ、ご案内しますか?」とお尋ねしますと、M.M様は「よろしくお願いします」とのご返事でしたので、ご滞在予定時間をお伺いすると、「何時間でも大丈夫です」とお答えされたので、「わかりました。当館の閉館時間は16時半ですが、できる限りご案内をさせて戴きます」とお答えしました。
M.M様がDVD映像(15分間)をご視聴されている時に、後からご来館されたお客様4名様もご案内をご希望されましたので、M.M様にご一緒のご案内についてお願いしましたところ、快諾して戴きました。M.M様、ご協力戴き、ありがとうございました。
M.M様と4名様に、「帯広製糖所の模型」、「ビート模型」、「ビートパルプ」、「オリゴ糖含有製品・ベタイン」、「パン酵母(イースト)」、「12種類のお砂糖」、「ペーパーポット・チェーンポット」、「特別記念展示室 皇族方の御巡覧」、「ビート糖業と日甜の歴史」、「世界の砂糖生産分布図」、「帯広製糖所内部模型」につきまして1時間程のご説明をさせて戴きました。
ご説明後に、私から「何かご質問がありますか?」とお聞きしましたところ、M.M様が「ビートは硬いのですか?」とお尋ねされたので、「ビートはさとうきびと比べると組織は柔らかく、そのため糖分抽出法が異なります。さとうきびの圧搾法に対して、ビートを温水で滲出(しんしゅつ)するのは圧搾すると細胞壁が混ざり込んでろ過ができなくなるので、細胞を破壊しない様に抽出するためです」とお答えしました。
次に、M.M様から「ビートを細長い形のコセットに切る理由は?」とのご質問があり、「糖分を滲出しやすくするためです。より細くすれば滲出しやすくなる一方で、弾力性が低下して詰まり等が発生するので、通常、4~5mm角で切ります」とお答えしました。
M.M様からの積極的なご質問にお答えした後、他4名様には私がご案内しなかった展示物をご自由にご覧戴くようにお勧めしました。
一方、十分にお時間が余裕をお持ちのM.M様には「当館には大変貴重な資料がありますよ」と資料展示室をご案内しましたところ‥
資料展示室を見たM.M様は「すごい資料ですね。この資料は戦時中のものですか?紙が薄くてペラペラですが、触ってもいいんですか?」とお尋ねされましたので、「ご注意して開いて戴ければ大丈夫です。ご自由にご覧下さい」でお答えしましたところ、M.M様は大変興味深そうに資料や写真などをしばしご覧になられていました。
そうです。当館は「ビート資料館」ですので、当然、大変貴重な資料や写真などがいっぱいあります。どうぞ、ごゆっくりご閲覧下さい。
あまりにご熱心にご閲覧されていたM.M様に「ブログ」へのご協力をお願いしましたところ、快諾して戴きました。ありがとうございます。早速、資料をご覧戴いているところを、ハイ チーズ!
その後、M.M様は資料展示室で1時間程ご閲覧された後、各展示室に戻られて、私がご案内しなかった展示物をご自身でご視聴されていました。
M.M様が2階展示室にある「ボタン式映像 砂糖の結晶化(約3分間)」をご視聴されていましたので、私から「ビートからの滲出液に石灰と炭酸ガスを加えてろ過した後、イオン交換樹脂に通して不純物を取り除き、煮詰めて結晶化した後に遠心力で蜜分と分離して乾燥・冷却しましたら、おなじみのお砂糖ができあがります」と付け加えました。
すると、M.M様が「ライムケーキってなんですか?」とお尋ねされましたので、「美味しそうな名前がですが、当然、食べられません。ビートのタンパク質などの不純物を吸着させたものをろ過し、その残渣を更に脱水したものです。主成分は炭酸カルシウムで、アルカリ分を含むので土壌の酸度矯正剤として有効利用されています」とお答えしました。
続いて、M.M様が「イオン交換樹脂とは?」とのご質問に対して、「見た目はお寿司のとびこの様に見えますが、イオン交換基を持つ直径0.4~1mmの合成樹脂です。糖液中のイオン性非糖分や色素の除去に使われ、当社が開発したKAAK方式の脱塩工程では更に灰分、アミノ酸、ベタインなども除去できます」とお答えしました。
更に、M.M様が「結晶化の際に粉砂糖を入れるのは?」とお尋ねされたため、「粒揃いのお砂糖をつくるためです。粉砂糖を入れなくても結晶はできますが、結晶にバラつきが生じます。粉砂糖を入れることにより、粉砂糖が核となって結晶が均等に成長します」とお答えしました。
今度は、M.M様から「さとうきびからつくられたお砂糖とビート糖との違いは?」とのご質問があり、「味の違いについては個人の嗜好があって一概には言えませんが、品質については両原料からの製品は共に、光合成から生み出された自然物質のショ糖を高純度で精製しているので違いはございません」とお答えしました。
更に、「他に違いがあるとしたら、国内産糖か否かでしょうか。ビート糖は北海道産100%のビートから製造するので全て国内産糖となりますが、さとうきびからの甘蔗糖は国内産糖と海外から輸入した粗糖(茶色い原糖)からの精製糖に分かれます。それは各製品袋の裏面に記載されている原材料名で確認できますよ」と付け加えました。
M.M様のお住まいがある地域では「スズラン印のお砂糖」は見かけないようで、「当社のビート糖シェアは約4割、日本全体では10%強、ご家庭用小袋製品を見なくても、業務用大袋製品をお使い戴いているユーザー様の菓子類、清涼飲料、乳製品等を通じて、当社製品を既にお口にされているのかもしれません」とお伝えしました。
M.M様が「ビート糖工場は年間稼働しているのですか?」とのご質問がありましたので、「ビートは収穫後も呼吸をしているので、糖分が極力減少しない様、可能な限り早く処理しています」、「ビートもしくは濃厚汁(シックジュース)が無くなったら製糖作業を終えるので年間稼働にはなりません」、「操業後は、次の製糖期間に機械的なトラブルが発生しない様に、製糖機械を入念にメンテナンスを行っています」とお答えしました。
他にご来館者がいらっしゃらなかったこともあり、M.M様とはお時間を忘れるぐらい色々なお話をさせて戴きましたが、時計の針を見ましたら、16時‥。なんと、M.M様のご滞在時間は約4時間半にも‥。結果的に、私が当初お答えしました通り、閉館時間の16時半近くまでご見学されたことになりました。
本当に大変長時間にわたってご視聴戴きまして、誠にありがとうございました。本当に資料館冥利に尽きます!
M.M様にお伺いしますと、以前にも北海道をご旅行されていましたが、その当時、行きそびれていた場所があったようで、今回はそれらの場所を中心に廻られ、帯広もそれらの場所の一つだったようです。企業博物館に大変ご興味をお持ちであったことから、当館にお越し戴いたとの事でした。
最後に、M.M様からは「実は当初、2時間半程度で見終えた後、次のばんえい競馬に行く予定でしたが、面白かったので長くなりました。一人で見るだけではわからなかった展示物が説明を聞くことによって詳しくわかりました。ばんえい競馬はナイターでも見れますので‥」と言って戴きました。本当に感謝!感謝!です。
本日はご来館して戴きまして、ありがとうございました。
つたないご説明にもかかわらず、長時間耳を傾けて戴きまして誠に感謝いたします。
今回の北海道旅行が思い出深いご旅行になりますことを願っています。
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