S.N様とご同伴者1名様のご来館を戴きました!

ご来館戴いたS.N様

 

最高気温が+5℃となる3月並みの陽気となりました本日の14時前にS.N様とご同伴者様のご来館を戴きました。

 

受付後、お二人様が当館入口ホールに飾っています新旧ロゴマークのポスターをご覧になられていましたので、私から、「当社ロゴマークはスズラン印の日である昨年10月20日に赤色から水色にリニューアルしました。より多くの方々にスズラン印をご認識して戴けるように水色にしました」とお伝えしました。

 

ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖

 

続けて、お二人様に「よろしければ、ご案内しますか?」とお尋ねすると、「よろしくお願いします」とのご返事でしたので、滞在予定時間をお伺いしますと、「時間は全然大丈夫です」とお答えされたので、DVD映像(15分間)をご視聴して戴いた後、お時間をあまり気にせずにご案内をさせて戴きました。

 

帯広製糖所の模型」では、操業当時と最近の旧帯広製糖所の全景が写った航空写真をお見せしながら、「帯広製糖所は大正9年から昭和52年まで操業を行いました。建物は現在もビート資料館から東に200メートル程離れた場所に現存し、この建物では総合研究所や飼料事業部の営業事務所の2部門がお仕事をさせて戴いています」とご説明しました。

 

自社私鉄写真」では、「十勝鉄道の愛称であるとてっぽの語源」をご説明した後、「廃線跡地はとてっぽ通りという名前の遊歩道として利用され、十勝鉄道4号機関車とコハ23号客車が大事に保存されています‥」とお伝えしましたところ‥

 

お二人様はとてっぽ通りの北側の起点となる「SWEETS FACTORY 十勝トテッポ工房様」は既にご存じのようでしたが、「とてっぽ通り機関車」はご覧になられていないようでしたので、お近くにお寄りの際は「ボランティアの方々のお掃除によってピカピカに輝く2両の車両」をご覧戴きますようおススメしました。

 

ビート模型」では、「ビートを植えた後の作物は連作障害を防ぐため、ビート以外の作物(豆,麦,イモ)になります。この四品目でローテーションを組んで畑を替えていくのが十勝の輪作です」、「四品目の中で、特にビートは地中深くに根を張っていくため、後に植えた作物の生育が良くなるという副次的な効果もあるため、北海道畑作の輪作体系において欠かせない重要作物と言われています」とご説明しました。

 

更に、「このようにビートは重要作物であるにもかかわらず、お店やご家庭の食卓に並ばないという農作物です。農家様と各糖業者がJAを通じて契約させて戴き、生産されたビートは各糖業者が全て買い取りさせて戴きますのでお店には並ばないのです」、「仮に農家様のつてでビートが手に入ったとしても、エグミがある為、あまりおススメできる味ではありません」と生食は難しいビートの一面をご紹介しました。

 

すると、S.N様から「ビートを買い取りする方法は?」とのご質問がありましたので、「昭和61年糖分取引制度から重量だけでなく糖分も加味した取引を行っています。この制度の導入によってビート及びビート糖の生産性がより一層向上しました」とお答えしました。

 

また、ビートは「寒さに強い一方で、暑すぎるのは苦手」であり、近年の地球温暖化が寒冷地作物であるビートに多大なる影響を与えている実情をご説明しました。

 

砂糖の国内生産分布」では、国内産糖における「てん菜糖(ビート)」と「甘蔗糖(さとうきび)」の生産割合はビート約8割、さとうきび約2割とご説明しましたところ、お二人様共に意外そうなご反応でしたので、「実は世界的な生産割合は国内状況とは全く逆ビート約2割、さとうきび約8割です」とお伝えしました。

 

世界的なお砂糖の比率につきましては、2階の「休憩室」に展示している「世界の砂糖生産分布図」をご覧戴きながら、ご説明しました。

 

ビート根部からはお砂糖以外に、ビートパルプオリゴ糖製品ベタイン(アミノ酸)パン酵母(イースト)等も製造しており、ビートには捨てるところがないことをお伝えしました。

 

オリゴ糖製品」では、「お砂糖等の糖類は通常、小腸までに分解・吸収されますが、オリゴ糖は酸に非常に強く、胃酸にも分解されずに大腸にいる善玉菌のビフィズス菌に直接届くことによって腸活されます。当社では液状製品の他に、天然オリゴ糖結晶ラフィノース製品であるラフィノース100があります」とお伝えしました。

 

ラフィノース」は整腸効果に加えて、アレルギー緩和効果臓器移植用保存液の配合成分等の有用性があることが今でこそ判明していますが、かつては砂糖の結晶化等を妨げる有害物質、言わば「製糖工程の厄介者」であったため、酵素によってお砂糖とガラクトースに分解し、お砂糖分として回収していた時期がありました。

 

その後、当社がビート糖蜜から分離精製して「工場規模における世界初の製品化」に成功し、ラフィノースの有用性が次第に明らかになりましたことをご説明しました。

 

12種類のお砂糖」では、「お砂糖の見た目は白色ですが、実は結晶は無色透明であり、光の乱反射によって白く見えるのです。雪やかき氷やシロクマの毛と同じように‥。もちろん、漂白剤は一切使っていませんし、そもそも、透明なものをわざわざ漂白する必要がないのです‥」とご説明したところ、お二人様共に驚かれたと同時にご納得されていました。

 

すると、S.N様から「グラニュ糖と上白糖は製造法の違いは?」とのご質問がありましたので、「結晶化工程までは原理的に同じですが、お砂糖と蜜分をふり分ける分蜜工程の中でグラニュ糖には無い工程が上白糖にはあります。それはお砂糖を加水分解した糖液(ブドウ糖と果糖の混合液)をお砂糖の表面にふりかける工程です。この工程によって上白糖はしっとりとした感触になります」とお答えしました。

  

新ロゴスズラン印の上白糖とグラニュ糖

 

更に、「ビート糖工場では最初に白いお砂糖ができ、てんさい糖(当社では北海道まろやかてんさい糖)のような茶色いお砂糖は白砂糖をとった残りの糖液からできます。これはお砂糖は熱を加えるほど色濃くなる特性(カラメル化)によります」、「この特性があるため、お砂糖の工場では結晶を回収しようとして糖液の加熱を繰り返していますので、糖液の着色との戦いを日々行っているのです」と付け加えました。

 

つまり、さとうきびからお砂糖をつくる工場の多くが粗糖(茶色の原糖)を精製して白砂糖をつくっていますが、ビート糖工場では全く逆の順番(白→茶)となります。

 

また、お砂糖には水に非常に溶けやすいという特性を生かした調理法として、「肉を柔らかくする」、「生クリーム等の泡だちを良くする」、「すし飯をしっとりさせる」、「卵焼きをフワフワにする」、「ジャムにとろみをつける」、「食品をくさりにくくする」、「臭みや雑味をやわらげる」、「おいしそうな焼き色をつける」などをご紹介しましたところ、お二人様共にご納得されていたご様子でした。

 

ぺーパーポット」は当社が開発した革新的な紙筒移植法であり、この移植法によって生育期間の前倒しが可能となり、雪解けが遅い北海道のハンデを克服できて、ビートの収穫量が飛躍的に増加したことに加えまして、「ビート以外の作物にも展開可能」、「簡易移植機ひっぱりくんで移植作業が楽々」につきましてお伝えしました。

 

すると、ご同伴者様は農業資材にご関心をお持ちなようで、近くに置いていたぺーパーポット・ひっぱりくんの総合カタログをご熱心にご覧になられていました。

 

特別記念展示室」では、「皇族方の帯広製糖所の御巡覧」のお写真等が展示されており、昭和天皇の御行幸の際における当社前身の最上級のお心遣いに対しまして、お二人様共に大変感心されていました。

 

歴史展示室では、明治・大正期の「エドウィン・ダンやクラーク博士等のお雇い外国人達の意見の相違‥」、「松方正義・正熊の親子二代にわたる挑戦‥」、「台湾(帝国製糖)と当社前身(北海道製糖)とのかかわり‥」等につきましてお伝えしました。

 

更に、昭和初期での「当社前身が行った原料駐在所設置、輪作奨励、酸性土壌矯正、農機具操作指導、病害虫駆除等による北海道農業の底上げに貢献‥」、「帯広・清水に次ぐ製糖所が北見と由仁ではなく、標茶町磯分内と士別に建設された理由‥」、「当社名変更(北海道製糖~北海道興農工業~日本甜菜製糖)に至りました経緯‥」等につきましてご説明しました。

 

帯広製糖所内部模型」では、帯広製糖所OBの方から寄贈して戴いた手造りの模型をご覧戴きながら、この模型に添付した工程進行番号の順番に沿って、製糖工程の流れを簡単にご説明しました。

 

更に、「この製糖工程の流れ(流送~洗浄~裁断~滲出~清浄~濃縮~結晶~分蜜~乾燥・冷却~包装)は100年以上変わっていません。これは当初の製糖技術がいかに確立されていたかを物語っています」と付け加えました。

 

ヤマハ製オートバイ1300CC」では、「当時、原料部門である農務課の原料事務所員が農家様に耕作奨励・栽培技術指導等を行う際の移動手段として使ってました」、「操業当初は徒歩、後に自転車そしてオートバイになり、現在、乗用車で廻っています」とお伝えしましたところ、お二人様共に農家様と当社との深いつながりに感心されていました。

 

1階閲覧室では、「日甜アグリーン(てん菜糖業からてん菜産業へ)」の取り組みを分かりやすく表現した「アニメーション動画」がリピート再生されており、お二人様共に興味深くご視聴されていましたので、より詳しく知って戴くように「日甜アグリーン冊子」をお渡ししました。

(ご参考 アグリーンアグリカルチャーグリーンを掛け合わせた造語です)

 

約2時間のご説明を終えました後、当館の「ブログ」へのご協力をお願いしましたところ、快諾して戴きました。誠に有難う御座います。

 

ブログ用の写真撮影では、ご同伴者様が「私は写真はちょっと‥」とご遠慮されましたので、S.N様がビート模型の横にお並び戴いたところで、ハイ チーズ

 

お伺いしますと、ビートの栽培・糖業に非常にご関心をお持ちのお二人様は、本日、ビート資料館を見るために帯広に来られたようでした。本当に感謝!感謝!です

 

本日はご来館して戴きまして、有難うございました。

つたない説明にもかかわらず、長時間お耳を傾けて戴き、誠に感謝いたします。

ビートやお砂糖についてご理解をより深めて戴きましたなら、幸いでございます。 

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7月5日(日)

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