ご来館戴いたN.G様
晴れのお天気から次第に雲が出始めた14時半頃にN.G様のご来館を戴きました。
受付後、N.G様に「よろしければ、ご案内しますか?」とお尋ねすると、「よろしくお願いします」とのご返事で、滞在予定時間をお伺いすると、「お時間は全然大丈夫です」とおっしゃったので、DVD映像(15分間)をご視聴して戴いた後、お時間をあまり気にせずにご案内をさせて戴きました。
「帯広製糖所の模型」では、操業当時と最近の帯広製糖所の全景が写った航空写真をお見せしながら、「帯広製糖所は昭和52年にお砂糖等を製造する役割を終え、操業を終了しました。しかし、建物は現在もビート資料館から東に200メートル程離れた場所に現存し、ここでは総合研究所や飼料事業部の営業事務所の2部門がお仕事をさせて戴いています」とお伝えしました。
すると、N.G様は「そうだったんですか。いつも見ていたこの建物は昔はお砂糖の工場だったんですね」と少し驚かれたご様子でしたので、私から「ひょっとして、地元は帯広ですか?」とお尋ねすると、N.G様は「そうなんです。ビート資料館は久々に来ました。小学生の時の写生会以来となります。ところで、小学校の写生会は資料館前庭で今も行われているのですか?」と逆にお尋ねされました。
私から、「今も行われていますよ。先日も稲田小学校5年生の3クラス計78名様が前庭で写生されていました。皆さん真正面に座られて描かれていました」とお答えしました。この日は「二十四の瞳」ならぬ、「百五十六の瞳」が真剣な眼差しで当館正面を写生されており、まるで、建物の中にいる「私」までもが見つめられているようでした。
「自社私鉄写真」では、N.G様は遊歩道の「とてっぽ通り」や「十勝鉄道4号機関車の展示」につきましては既にご存知でしたが、「とてっぽの語源」、「とてっぽ通りは十勝鉄道の廃線跡地」、「機関車は人だけでなく、ビートとお砂糖も運んでいた」とお伝えすると、「そうだったんですか。知りませんでした」と驚かれていました。
「ビート模型」では、「北海道の中でビートを最も多く生産しているのは十勝地方です。北海道で一番と言うことは十勝地方は日本一のビートの名産地とも言えます(令和6年度総合振興局別、第二位はオホーツク地方)」とお伝えしました。(ちなみに、同年度の市町村別では第一位は網走市、第二位は帯広市、第三位は音更町)
一方、「ビートは北海道農業に欠かせない重要な農作物であるにもかかわらず、お店やご家庭の食卓に並ばないという農作物です。なぜなら、ビートの根部は果物並みの糖分があるものの、エグミによって生では食べにくく、ホウレンソウにも見える茎葉部も苦味があるからです」と食用としては難しいビートの一面をご紹介しました。
このため、「ビート糖工場では石灰やイオン交換樹脂等を用いて非糖分を除去し、自然物質であるお砂糖(ショ糖)を高純度で精製していますので、当然、エグミ等は工程中に取り除かれます」と付け加えました。
更に、ビートからはお砂糖以外にも「ビートパルプ」、「オリゴ糖製品」、「パン酵母(イースト)」を製造しており、ビートには捨てるところがない事を強調しました。
「ビートパルプ」では、「ビートから糖分を抜き取って搾った繊維分から飼料を製造しています」とペレットパルプをお見せすると、N.G様は見本をお手に取られると、「黒糖みたいな香りがする。かりんとうみたい」とのご感想をお持ちでしたので、「黒糖の様な香りがするのは若干の糖液をふりかけているからです。でも、かりんとうの様には噛めないと思います、とても硬いので…。水に浸しますと約3倍に膨らんだものを牛が食べています」とご説明しました。
「12種類のお砂糖」では、「お砂糖の結晶の色は‥」、「三温糖の語源は‥」、「糖液は加熱する程色濃く(カラメル化)‥」、「お砂糖の賞味期限は‥」、「三温糖と黒砂糖の違い‥」を図表を用いてご説明しましたところ、N.G様はご納得されたようでした。
更に、お砂糖には水に非常に溶けやすいという特性を生かした調理法として、「肉を柔らかくする」、「生クリーム等の泡だちを良くする」、「すし飯をしっとりさせる」、「卵焼きをフワフワにする」、「ジャムにとろみをつける」をご紹介しました。この様に、お砂糖が他の甘味料には無い特性を持っていること、紀元前の時代から見出された自然物質であること、価格等を総合的に考慮し、「お砂糖に勝る甘味料無し」とお伝えしました。
「歴史展示室」では、明治時代(紋鼈製糖、札幌製糖)では馬車でのビートの輸送が困難を極めたことを教訓として、大正時代(北海道製糖)では鉄道による貨物輸送を開始しました。その後、沿線地域の方々のご要望にお応えすべく旅客業の免許を取得して重要な交通手段となり、沿線地域の発展にもお力沿いさせて戴いたことをお伝えしました。
「帯広製糖所内部模型」では、帯広製糖所OBの高橋長吉さんから寄贈して戴いた手造りの模型をご覧戴きながら、「お砂糖を製造していた頃の帯広製糖所の建物内部はこのようになってました。この模型によって約1分間で工場見学ができます。この模型を私共後輩に残して戴きまして、高橋さんには大変感謝!感謝!です」とお伝えした後、模型に添付した工程進行番号の順番に沿って、工程の流れをご説明しました。
ご説明後、当館の「ブログ」へのご協力をお願いしましたところ、快諾して戴きました。誠に有難う御座います。
お伺いしますと、N.G様は地元帯広に帰省され、本当に久しぶりに当館をお立ち寄りされたとの事でした。(本当に感謝!感謝!です)
本日はご来館して戴きまして、有難うございました。
つたない説明にもかかわらず、ご視聴戴きまして、重ねてお礼いたします。
帯広と共に発展してきた当社のビート糖業についてのご認識を深められましたなら、幸いでございます。
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