ご来館戴いたA.S様
朝からの好天となりました「秋分の日」の11時頃にA.S様のご来館を戴きました。
受付後、A.S様に「よろしければ、ご案内しますか?」とお尋ねすると、「お願いします‥」とのご返事で、滞在予定時間をお伺いすると、「お時間は十分にあるので大丈夫です‥」とおっしゃいましたので、DVD映像(15分間)をご視聴して戴いた後、お時間をあまり気にせずにご案内をさせて戴きました。
「自社私鉄写真」では「十勝鉄道の愛称であるとてっぽの語源」をご説明した後、「廃線跡地はとてっぽ通りという遊歩道として多くの方々に利用され、この通りには十勝鉄道4号機関車とコハ23号客車が大事に保存されています‥」とお伝えし、この近くにお寄りの際は「ボランティアの方々のお掃除によってピカピカに輝く2両の車両」を一度ご覧戴きますようおススメしました。
「ビート模型」を前にしたA.S様は「見たことがない」ご様子でしたので、「ビート畑では茎葉部は見れますが、土の中にある根部は収穫期(10~11月)に畑で山積みされている時以外は北海道民でもあまり見ることができません」とご説明しました。
一方、「ビートは別名サトウダイコンと言われ、ダイコンやカブの仲間のように思われますが、それは見た目が似ているだけで、学術的にヒユ科に属したホウレンソウの仲間です。ホウレンソウにも見える茎葉部はかつて牛に食べさせていたことがありましたが、現在は畑にすきこんで緑肥としています」と付け加えました。
ビートは北海道畑作の輪作体系において欠くことができない重要な農作物であることに加えて、畑作四品目(ビート、小麦、馬鈴薯、大豆)の中では二酸化炭素の吸収量を排出量で減じた数値が最も高いことから、ビートは二酸化炭素を良く吸収する地球環境に優しい農作物であることもお伝えしました。
ビート根部からはお砂糖以外にも「ビートパルプ」、「オリゴ糖製品」、「パン酵母(イースト)」を製造しており、ビートには捨てるところがない事を強調しました。
更に、当社はビートの更なる未知の可能性を探求した「日甜アグリーン(てん菜糖業からてん菜産業へ)」の取り組みを行っており、この取り組みをより詳しく知って戴くように、「日甜アグリーンのコンセプトブック」をお渡ししました。
(ご参考 アグリーンはアグリカルチャーとグリーンを掛け合わせた造語です)
「12種類のお砂糖」では、お砂糖について誤解されている方が非常に多いことを前置きさせて戴いた上で、「ビート糖工場では茶色いお砂糖を精製して白砂糖をつくるのではなく、その逆で、白砂糖をとった残りの糖液からできるのが茶色いお砂糖‥」、「お砂糖は熱を加えるほど色濃くなる特性(カラメル化)を持つ‥」、「三温糖の語源は‥」、「お砂糖の賞味期限は‥」、「お砂糖の結晶の色は‥」等をご説明したところ、A.S様はご納得されたご様子でした。
2階の歴史展示室では、「さとうきびと比べてビート糖の歴史は300年足らずと浅く‥」、「お雇い外国人による北海道におけるビート生産の適不適についての意見の相違‥」「松方正義・正熊の親子二代にわたる挑戦‥」等についてご説明しました。
「帯広製糖所内部模型」では、帯広製糖所OBの方から寄贈して戴いた手造りの模型をご覧戴きながら、模型に添付した工程進行番号の順番に沿って、製糖工程の流れを簡単にご説明しました。
すると、A.S様から、「製糖工程の流れは変わってきましたか?」とお尋ねされましたので、「製糖工程の流れ(流送~洗浄~裁断~滲出~清浄~濃縮~結晶~分蜜~乾燥・冷却~包装)は変わっていません。これは当初の製糖技術がいかに確立されていたかを物語っています」とお答えしました。
更に、A.S様から、「さとうきびの工程との違いは?」とのご質問があり、「製糖工程前半におけるお砂糖分の抽出法や非糖分の除去法などが異なるものの、結晶化工程以降は大きな違いはありません」とお答えしました。
又、A.S様から、「ビート糖工場は年間稼働しているのですか?」とご質問が続きましたので、「ビートは収穫後も呼吸をしているので、糖分が極力減少しない様、可能な限り早く処理しています。ビート若しくはビートからの濃厚汁(シックジュース)が無くなったら、製糖作業を終えるので年間稼働にはなりません。操業後は、次の製糖期間に機械的なトラブルが発生しない様に、製糖機械を入念にメンテナンスを行っています」とお答えしました。
ご説明を終えた後、当館の「ブログ」へのご協力をお願いしたところ、快諾して戴きました。誠に有難うございます。
お伺いしますと、A.S様は十勝管内で行われる農業実習にご参加されるため、本日帯広空港に降り立たれた後、博物館巡りがお好きなA.S様は帯広のご見学場所として、真っ先に当館に立ち寄られたとの事です。(本当に感謝!感謝!です)
最後に、私から、「当社のロゴマークがスズラン印の日である本年10月20日にリニューアルします、赤色から青色に、そしてデザインも一新します‥」と新ロゴマークをお見せしたところ、A.S様は「すっきりしたデザインですね」とご感想をおっしゃられました。
(ご参考 スズラン印の日 てん菜糖製品のデザインを統一した日の1962年10月20日にちなみ、この日をスズラン印の日と制定し、日本記念日協会に認定されました)
本日は当館にご来館戴きまして、誠に有難うございました。
つたない説明にもかかわらず、ご視聴戴きまして、重ねて御礼申し上げます。
初めての地での農業実習で、北海道は寒暖差が大きい時期でもあります。どうかお身体にご留意されて、充実した農業実習となりますことをお祈りしています。
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