前回、帯広製糖所社有地農場に入地した「模範農家」を取り上げましたが、同じく大正12年(1923年)明治製糖㈱社有地農場(上川郡人舞村字下佐幌基線67番地)に入地したのが、ドイツ人「模範農家」フリードリッヒ・コッホ氏家族(6名)です。
コッホ氏家族は、北海道庁との契約(別添素案)5ヵ年の所、2年間延長の7年後の昭和5年(1930年)に帰国しています。
契約書を見て戴くと、往復旅費金9,000円(内、往路旅費として金4,500円を本国出発前に支払い)、給与1ヵ年度金2,000円、並びに契約初年1ヵ年金1,000円、契約二年(目以降と推察される)1ヵ年金500円の特別手当を支給・・と記述されています。
※契約各金額は、他の書物では違う金額表示もあり、このまま決定したかは、定かでは有りません。
更に、「明治製糖㈱」の用紙で契約(素案)が作成されていますので、当時「道」の指示で「明治製糖㈱」が作成したのかも知れません。
契約書最後に「契約年」を「大正14年」(西暦1925年)との記述がありますが、素案「第8条 契約期間」は「大正12年6月23日より満5ヵ年」との記述もあり、間違いであると思われます。
いずれにしても当時の日本の農家(夫婦、子供5人の平均家族)の年収が350円ほどであったことから、如何に破格の待遇・報酬金額であったかが判ると思います。
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Thomas Monaghan (火曜日, 05 5月 2020 16:06)
この史料はどこで所蔵されていますか?
ありがとうございます。
館長の清水です。 (木曜日, 07 5月 2020 09:00)
Mr.Thomas Monaghan、メールを有難うございます。お問い合わせの史料は、当館で所蔵していますのでコピーで宜しければ、ご送付する事も可能です。改めてこの契約書は、北海道庁とコッホ氏と交わされたであろうと思われる素案(手書き)です。他の書物(他の方が調べた)では、給与等違う金額が示されています。